「ありがとうございます」


 私が降りるとギルバート様はぎゅっと私の手を握ると「行こう」と言い、街へと入った。


「ギルバート様っ……手を」

「あぁ、すまない。だが迷子になったら大変だ」


 えっ……!?
 離すどころか、先ほどよりも強く繋がれてしまった。そのまま街の中を巡る。


「お腹は空いてないか?」

「少しだけ……」

「少し食べようか、ここで待っていてくれ」


 私を石段に座らせると、ギルバート様は屋台の方に走っていき焼き鳥のような串と飲み物を二つずつ持って来てくれた。