「……綺麗だな、メル」

「へっ!? あ、あ、ありがとうございますっぎ、ギルバート様もとてもかっこいいですよ!」

「……っ……」


 私、めちゃくちゃ恥ずかしいこと今言っちゃったよね!? 本人に格好いいなんて……!


「……ありがとう」


 ギルバート様はそう言っていたが、耳が真っ赤になっていて居た堪れなくなった。
 私とギルバート様は、エミリーさんとライラに見送られ屋敷を出発した。


「…………」

「…………」


 お互い馬車の中では何も話さなかった。というか話すことがなくて一時間ほど無言のまま過ぎていき――……王都に着いたときにはもうお昼時になっていた。
 ギルバート様は先に降りると手を差し伸べられる。