「でも、ウィリアム王子は今日お帰りなんですよね?」
「そうですね……お昼には出発予定です」
「うーん、じゃあ白米にしましょう。空の瓶ってありますでしょうか?」
瓶と棒があれば白米ができる。そうすれば六時間も寝かせる必要はない。
「これでいいですか」
「あっ、ありがとうございます」
私は玄米を瓶の中に全て入れ、クッキーを作るときに使った綿棒を持ってきて瓶の中へさした。
「えっ、これは何を……」
「いいから見ててください」
玄米を潰さないように優しく搗く。三十分くらい続けると米ぬかが溜まってくる。もうそろそろかなと思い、ぬかを落とし鍋に米だけ入れた。
「お水ありますか?」
「お水でございますか? ございますよ……こちらです」
「ありがとう」
侍女から水を受け取ると三回ほどお米を研ぎ鍋の中に戻した。お米が入った鍋にお米よりも多く水を入れ蓋をする。
そしたら蓋をして台所に行く。強火用のコンロで沸騰させて沸騰したら弱火のコンロに置き十五分火にかける……っと。