指切りをして、それからわずか1ヶ月後。
おじさんは、天国へと旅立ってしまった。
あまりにも早すぎる別れだった。
「……っ」
俺は、あの日おじさんと指切りした小指を、もう片方の手で何度も何度も握りしめた。
おじさんと指を絡ませた、まだあのときの冷たい感触を……覚えてるよ。
俺も泣いたけど、乃々ちゃんはもっと泣いた。
涙が、枯れてしまうんじゃないかとさえ思うほど。
悲しいのに、夏の空は青々とどこまでも晴れ渡っていて。憎くなるほど、清々しかった。
『うぅ……ひっく』
俺は、泣いている乃々ちゃんのそばにいることしかできなくて。
こんなとき、なんて声をかけたら良いのか分からなくて。
ただひたすら、彼女をぎゅっと抱きしめることしかできなかった。



