【俺の話聞いてたんだ。 そんなの決まってるでしょ? 乃々だよ】 わたしは、口元を手でおさえる。 どうしよう。すごく嬉しい。 「ちょっと乃々、なに赤くなってんのー?」 「え!? わたし、顔赤くなってる!?」 「うん、超真っ赤」 「あっ、暑いからかなー?」 瑠花ちゃんに答えながら、わたしは熱くなった頬を少しでも冷まそうと、手でパタパタとあおぐ。 ただでさえ今は、夏で暑いのに…… 頬が火照って、余計に暑くなるなんて。 拓海のせいだ。