「空気読めよって言われたって…そんなのわかるわけないし!つか、素直にこっちは謝ってんのにさ…エレノアもそう思うよな?」


ノエルに邪険にされ、すっかり拗ねてしまったアルバートは、私に向かって同意を求めてくる。


「…えっと…あはは、そう、ね?」


確かに気の毒ではあるけど、私に同意を求められるのも困るわ…。


とりあえず、曖昧な笑みを浮かべ、どっちとも取れるような相槌を打った。


「あのさ、アルバート、エレノア困らせるのやめてくれる?」


「…はぁ?別に俺は困らせてないし。そもそも、エレノアは、お前が不機嫌そうにしてるから気を遣ってるんだろ!」


室内に、ピリピリとした空気が流れ、私は今すぐにでも部屋を出ていきたい衝動に駆られる。