その後はもうされるがままだった。

白いワンピースに着替えた途端、ルーナはたった数十分でメイクとヘアアレンジを施す。なんだか、技術がどんどん向上しているのは気の所為だろうか…?

ふと、気づけばエレノアの面影は薄くなり、ノアの完成だ。

今日は金髪の髪の毛をサラサラストレートにし、サイドを編み込んでいる。

メイクは、全体的にピンク系で柔らかい印象に仕上がっていた。

そして、服は先程のルーナチョイスの白いフワフワ系ワンピース。

うん、エレノアっぽさは全くないし、これならノエルも長く一緒にいても気づかないでしょう。

鏡を確認し、私はうんうんと、頷いた。

「お嬢様!私の最高傑作です!…っ、これで惚れない男はいませんわ」

キラキラした瞳で私を見つめるルーナは、嬉しそうに微笑みを浮かべる。

「ありがとう…いつもながら完璧だわ」

「こちらこそ。お嬢様はメイク映えしますから楽しいんですよ~、これからも時々はさせてくださいね。さて、そろそろ出発しませんと約束の時間に間に合いませんわね。それでは参りましょうか、お嬢様、17時には迎えに参りますので」