きょとんとする私をよそに、呆れた様子のルーナは、小さくため息をつく。

わけがわからず、ルーナを見つめていると、

「エレノアお嬢様ったら、話を真剣に受け止めすぎですよ。どう考えたってその方たち両思いじゃないですか!全く惚気話なら初心なお嬢様じゃなく、他のゴシップ大好きご令嬢たちにすればいいのに」


「両思い…?」


「だって、そうでしょう?好きでもない異性に唇を奪われたら誰だって嫌悪感を抱くはずですもの。それが嫌じゃなかっただなんて……まぁ、仮にその方が本当にお気持ちに気づいてなかったとしたら、お嬢様レベルの鈍感さですわ」


彼女の言葉に声が出ない。

まるで、ガツンと、硬いもので頭を殴られたくらいの衝撃で。


私…ノエルのこと好き…なの?


「お嬢様、その方には両思いだから安心してお付き合いしなさいとでもアドバイスされればよろしいかと……って、どうかされたんですか?顔が真っ赤ですよ…」


「…え?」