それに満足したわたしは前を向いて、肩揉みの続きを促した。

すると山吹は正気を取り戻したのか、わたしの肩にそっと触れた。


「言質、取りましたからね?」
「えぇ」


本当にそうなればいいと思う。

色々なものを捨てることになるだろうけど、山吹がいるならそれでいい。

どこへ行こうとも、わたし達はふたりぼっちだから。


「あ、お嬢様」
「ん?」
「再来週4日間お休みを頂いても宜しいでしょうか?」
「ぇえ!?!??!??」


今日は珍しく山吹を動揺させることが出来た。

だから勝ったと思った。

でも、引き分けかもしれない。