お前じゃないとイヤなんだ



うそ。


「キミが……わたしを好き?」


「ああ。物心ついた時からずっと。
だから、雨の日だけでなく……これからは、晴れの日もお前と一緒に帰りたい」


晴れの日も……


「いい、よ。これからは、毎日一緒に帰ろう。何なら、朝も一緒に登校しよ?」

「そうだな……。ん!」


キミが、傘を持っていないほうの手をわたしに差し出してくる。


小学生以来、久しぶりに繋いだキミの手は、雨で濡れたからか、少しだけ冷たい。


「……そう言えば、お前の返事は? まだ聞いてないんだけど」


「手、繋いでるんだし。それが答えだよ。言わなくても分かるでしょ?」


「でも、やっぱりちゃんと聞きたい。
聞かせて?」


「……好きだよ。これからもずっと、大好き」



END.