恋を教えてくれたのは君だった。

*


とは言ったものの……。


――行動一つ一つにドキドキしちゃう……!!


距離が近かったり(意識する前から距離がかわったわけじゃないんだけどさ!)、

彼の笑顔にキュンってしちゃったり……。


こんなドキドキしてたら聞くにも聞けないよっ



頑張って会話を続けようとしても


「――どした?……熱?!」


なんて聞かれる始末。


恋ってこんな大変なのー?!



*


「花恋ーっ」


いつもの五倍は機嫌が良さそうな夢愛。

……なんかいいことあったのかな?


そういえば、春樹に呼ばれてるって言ってたっけ。



「私っ、春樹と付き合うことになったっ!あっちから告白してくれて」


「お〜っ!!おめでとう!!」


なんとなくそんな気はしてたけど……。



「春樹は小学校の頃からずっと好きでいてくれてたんだって。私は全然気づかなかったけど……」


「うん。だと思ってた」


だって気づいてたら、仲良くなりたいから花城君と同じグループがいい〜なんていわないでしょ。


「でも、告白された時、ドキッとしちゃって、思わずOKしちゃったの」


顔を赤らめながら話す夢愛が最高に可愛い。


「で、花恋は順調?」


う"。それがね〜……。



なかなかうまくいってないことを正直に言った。



「え?!そんなんじゃ卒業まで間に合わないんじゃない?!」


「えぇ、卒業式のときに言う、とかは……?」


はぁ……と夢愛が大きなため息をつく。


「もう!転校しちゃっても知らないよっ」



そ、そんなことがあるわけ……ていうか、彼はまだこの学校来て数週間だよ?!
まさか、ね……。



その“まさか”になるなんて、このときは思いもしなかった――。



*


「――え」



先生から朝 告げられた一言で、私は絶望した。




『花城は急な転校になった。短い間だったがな、みんな仲良くやれてたんじゃないか』



え、て、転校……?ま、まさ、か……何かの、間違い、だよ、ね……?



なんでよ。そんなこと一言も言ってなかったじゃない。


修学旅行から帰ってきたばっかだったじゃん、なんでよ。


思い出話だってまだしてないじゃん。



――もっともっと、一緒に居られると思ってた。居たかった。



思わず屋上まで行った。

涙がとまらない。




私に恋を教えてくれたのは唯人なんだよ。



私がずっと一緒に居たいと思ったのは唯人。




……また会いたいよ、唯人。



もうきっと会えない人を想い続けるのは辛いし、この想いに、蓋をしなくちゃな。




ばいばい、初恋の人。