真宙くんに言われるがまま、あたしが顔を後ろに向けると。 真宙くんの顔が、すぐそこにあって。 お互いの鼻と鼻がくっついてしまいそう。 「七星ちゃん……可愛すぎ」 ──チュッ。 真宙くんの唇が、あたしの鼻先に触れた。 「……っ」 えっ、えっ!? いっ今あたし、真宙くんにキスされた!? 口じゃなくて、鼻にだけど。 何の前触れもなくいきなりこんなことされたら、心臓に悪いよ。 「今はこれくらいで、我慢しとく。その代わり、雨が止むまでで良いから。もう少し、このままでいさせて?」