おれってけっこうヘタレなんだな。
好きすぎて手が出せないとか、そんなんあるわけねーだろってずっと思ってきたのに。どうやらほんとにあるらしい。
おれが触って壊れないかな。ちゃんと上手くできんのかな。キスだけで毎回情けないくらいドキドキしてんのに、仁菜子よりおれの方が絶対大丈夫じゃない。
あー、あー、このまま一手出せなかったらどうしよう。いや、身体が全てではないけれど、必要なステップでもあるわけで、でも……
「紘ちゃん、嘘はダメ」
「、は」
ちゅ、と唇が触れる。
仁菜子は不意打ちが多い。
良くない、本当によくないと思う。
おれは必死に自分と戦いながらやってきてたのに、「な、なんかあるなら口に出さないとダメだよ…!」と照れ隠しのように付け足すものだから、もうダメだった。
可愛くないわけがない。可愛いに決まってる。
なんだよ もー……おれはもうダメだ。
そう、ぜんぶ。
「……仁菜子のせい」



