「紘ちゃん。このプリン、ひなちゃんの?」
「……あー、いや、まあ」
「そっかぁ。じゃあ新しく買っておかないとだね」
ひなは妹の名前。幼なじみなので、当然仁菜子もひなのことを知っている。
仁菜子とは全く真逆の系統で、いつも強気で若干凶暴な妹。今食べたプリンは何としてでも ひなが帰ってくる前に元通りにしておかなければならない。
そもそも、余っていた訳じゃないって仁菜子にはバレバレだったのかもしれない。
「べつに、そんなこと気にすんなよ」と言えば「今日の紘ちゃん、いつもより優しい……?」と首を傾げられた。
今日のおれは変だ。自覚もしている。
それから仁菜子は普通で、いつも通りで───…やっぱり、全然可愛くなんかない。



