なんでモテるんだろう。なんで人気なんだろう。
おれの背中を追っていただけの、ちっちゃい人形みたいな感じだったのに。
顔が可愛いから?
守ってあげたくなるような雰囲気があるから?
すぐ顔を赤くして泣きそうになるから?
全然わかんねーよ。
おれからしたらひとつも可愛くない。さっさと泣きやめよ鬱陶しい、その程度に思ってる。
────神聖なる雪永 仁菜子の逢瀬、おまえが知らないとこで行われてたりしてな
うるせぇ、だまれ、ふざけんな。
「っ、え、ひろちゃ、」
「なぁ、仁菜子」
どいつもこいつも眼科行け。目玉がぶっ飛んで、その視界に仁菜子が映らなくなればいい。
親指でこぼれた涙をすくうと、仁菜子はピクリと肩を揺らした。
「……今日、部屋来る?」
仁菜子が可愛いことも、仁菜子が誰のものなのかも、全部おれに証明してくれるなら。
そしたらおれは、もう少し正直になれんのかな。



