悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

(私、お父様に愛されているのね……)

彼を攻略しようと決心したときは、そんな日が訪れるのかしらと不安しかなかったが、今はっきりとそう感じる。

(この調子なら、アリスが現れても、お父様は私のことを投獄したりせず、大事にしてくれるかも)

そんな考えが、みるみる胸の内で大きくなる。

ナタリアも、できれば彼と離れたくない。断罪という危険がないのなら、逃げたりせず、このまま彼のそばにいたい。

「お父様」

「なんだ?」

「……なんでもないです」

ナタリアは照れたように笑って誤魔化した。

本当は、『お父様のことが大好きです。ずっとお傍にいたいです』と伝えるつもりだった。

だが急に恥ずかしくなって、言葉を吞み込んでしまったのである。

「なんだ、気になるじゃないか」

リシュタルトがは小さな体で懸命にステップを踏んでいるナタリアを見て、愛しそうに目を細めた。

「まるで水遊びをしているドラドの子供のようだな」

直後、ナタリアは凍り付く。

(今、なんて……?)