悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

リシュタルトはそういった非情ともとれる政治手腕で大国を統制し、繁栄させてきた。

(なんて冷たい目なのかしら……)

リシュタルトに初めて会った日の夜、ナタリアは彼の瞳の冷たさを思い出しては怯えた。

とてもではないが、愛しい我が子を見る目ではなかった。

ただでさえ冷酷な皇帝に、本当に嫌われているのだなと、深く思い知る羽目になってしまったのである。

(でも、無視をされただけでひどいことは言われなかったわ)

唯一前向きにとらえられるのは、その点だけだった。

(大丈夫、手順通りにやればきっと気に入られる)

ナタリアは、心の中で自らを奮い立たせる。

そうこうしているうちにウトウトしてきて、あっという間に眠りに落ちてしまう。

前世の記憶のせいで思考は大人だが、体はまだ三歳児。

成長期の体は、睡眠をたっぷり必要としているのだ。