いまだかつて聞いたことがない王子の怒声に、アモンがビクッと体をすくませた。
彼は観念したように立ち上がると、どこからともなく、薄汚れた木製の手鏡を持ってくる。
手鏡の中に改めて映し出された自分自身を見て、クライドは驚愕に目を見開いた。
獣耳を失い、髪が闇をまとったかのような黒色に変化しただけじゃない。
金色だったはずの瞳も、まるで悪魔の瞳のような、不気味な紫色になっていた。
「これは、だれ……?」
乾いた唇から、哀れなほどか細い声が出る。
もはや隠し通すことはできないと悟ったのだろう。
アモンが、今にも泣きそうな顔で洗いざらいを吐いた。
「あの夜、クライド様は追っ手に捕まり、呪術師にまがまがしい呪いをかけられたのです。それによって、あなたは獣人の力を失いました」
アモンの言葉はあまりにも現実味がなく、クライドはしばらくの間、何を言われているのか理解できなかった。
やがて、全身の激痛を超えるほどの深い衝撃が胸に落ちてくる。
あざ笑うような、乾いた笑みが、自然と口から漏れた。
「――そう。じゃあ、僕はいったい何になったの?」
彼は観念したように立ち上がると、どこからともなく、薄汚れた木製の手鏡を持ってくる。
手鏡の中に改めて映し出された自分自身を見て、クライドは驚愕に目を見開いた。
獣耳を失い、髪が闇をまとったかのような黒色に変化しただけじゃない。
金色だったはずの瞳も、まるで悪魔の瞳のような、不気味な紫色になっていた。
「これは、だれ……?」
乾いた唇から、哀れなほどか細い声が出る。
もはや隠し通すことはできないと悟ったのだろう。
アモンが、今にも泣きそうな顔で洗いざらいを吐いた。
「あの夜、クライド様は追っ手に捕まり、呪術師にまがまがしい呪いをかけられたのです。それによって、あなたは獣人の力を失いました」
アモンの言葉はあまりにも現実味がなく、クライドはしばらくの間、何を言われているのか理解できなかった。
やがて、全身の激痛を超えるほどの深い衝撃が胸に落ちてくる。
あざ笑うような、乾いた笑みが、自然と口から漏れた。
「――そう。じゃあ、僕はいったい何になったの?」



