歯切れ悪く、リシュタルトが答えた。

月灯りの中で、銀色の尻尾が動揺するように激しく揺れている。

その冷徹な見た目には不似合いなフサフサ尻尾は、やはりすごくかわいくてきゅんとする。

(ああ、モフっとしたい。ギルの尻尾もフサフサだけど、やっぱりお父様のモフモフには敵わないわね)

ナタリアは幸せな気持ちでそんなことを考えながら、大きな父の掌をぎゅっと握り返したのだった。

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