悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

「ウーーーッ!」

だが感動の瞬間はあっという間のことだった。

ユキの低い唸り声に気づいて、ナタリアはガバッと顔を上げる。

そこには、こちらに銃を向けているダスティンがいた。

いつの間にか、命からがら遠くに放り出された銃を取りに行ったらしい。

「うるさい! 邪魔だ、ケダモノめ!」

バンッと銃声が室内に反響した。

「キャウンッ!」

ユキの身体が跳ね、宙を舞う。

ダスティンの放った銃弾が、ユキの右太ももに命中したのだ。

「ユキ……!」

バタンと倒れ、苦しそうに浅い呼吸を繰り返すユキ。

銃弾を受けた太ももからはドクドクと血が溢れ、あっという間に辺りの床を朱色に染めた。