悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

モフ番とは違い、今回の騒動はダスティンの単独行動だったということだろうか?  

だとしたら、異母弟の出番はもうないのかもしれない。

そして、リシュタルトが彼に殺される危険も……。

「お父様! よかった、助かるわ……!」

ナタリアは思わず、リシュタルトに向かって声を張り上げた。

だがすぐ脇に立っていたはずの彼の姿がない。

ハッと辺りを見回すと、足元で倒れているリシュタルトが目に入る。

肩口からはドクドクと血が流れ出し、先ほどまでの威勢が嘘のように瀕死の状態だった。

「え……? お父様……!?」

ナタリアは慌てて父のもとへ駆け寄った。