信じられない光景を前に、ナタリアとて理解が追いつかない。
リシュタルトは深手を負って動くこともままならず、寝たきりのはずなのに。
「俺の部屋で、『ダスティン』と呟いていただろう。だからお前は俺を襲った犯人はダスティンなのだと予想したのだと分かった。お前のことだから、またあの家庭教師を引き連れて乗り込むんじゃないかと心配したが、その通りだったな」
咎めるようなまなざしを向けられ、ナタリアは居すくんだ。
「イサクに同行を頼んだのは、あの家庭教師だけではない。俺からもお前を見守るよう頼んだんだ。そして俺はこっそり後を追った。ダスティンが真犯人だというお前の推理も、あながち間違いではないと思ったからな。――まあ、案の定だったな」
怒りを込めるように、リシュタルトがもう一度ダスティンを勢いよく踏みつけた。
「ぐほっ」と嘔吐するような声を上げ、痛みに耐えるダスティン。
リシュタルトは平気な顔をしているが、あの深い傷がすぐすぐ癒えるわけではない。
おそらく、必死に痛みに耐えているのだろう。
その証拠に、彼は今人間の姿のままである。
戦うときは獣化した方が有利なのに、そうしていないのは、傷がまだ癒えていないからだ。
体力を要する獣化は、ダメージを受けた状態ではできない。
リシュタルトは深手を負って動くこともままならず、寝たきりのはずなのに。
「俺の部屋で、『ダスティン』と呟いていただろう。だからお前は俺を襲った犯人はダスティンなのだと予想したのだと分かった。お前のことだから、またあの家庭教師を引き連れて乗り込むんじゃないかと心配したが、その通りだったな」
咎めるようなまなざしを向けられ、ナタリアは居すくんだ。
「イサクに同行を頼んだのは、あの家庭教師だけではない。俺からもお前を見守るよう頼んだんだ。そして俺はこっそり後を追った。ダスティンが真犯人だというお前の推理も、あながち間違いではないと思ったからな。――まあ、案の定だったな」
怒りを込めるように、リシュタルトがもう一度ダスティンを勢いよく踏みつけた。
「ぐほっ」と嘔吐するような声を上げ、痛みに耐えるダスティン。
リシュタルトは平気な顔をしているが、あの深い傷がすぐすぐ癒えるわけではない。
おそらく、必死に痛みに耐えているのだろう。
その証拠に、彼は今人間の姿のままである。
戦うときは獣化した方が有利なのに、そうしていないのは、傷がまだ癒えていないからだ。
体力を要する獣化は、ダメージを受けた状態ではできない。



