悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

「あなたのこともこの銃で撃ち殺して差し上げてもいいのですが、込み入った事情がありましてね」
ダスティンが、下劣な笑みを浮かべる。

「かつて、あなたのせいで私の計画は丸つぶれになったのですが、牢獄から釈放され村に戻ったとき、村人たちはほとんどこの地を離れていたのですよ。私を信じて残っていた者はここにいるわずかな男たちだけです。あなたは私からあらゆるものを奪った、天使の皮をかぶった悪魔だ。私は憎たらしいあなたが無残にも食い殺されるところをどうしても見てみたいのですよ」

なんて見下げた男だろう、逆恨みもいいところだ。

ダスティンを心底軽蔑したとたん、不思議と心が軽くなった。

怒りが消え、こんな状況だというのに、気持ちが落ち着いてくる。

ナタリアはユキに向けて、優しく語り掛けた。

「ユキ、大丈夫よ。あなたを助けてあげる。あんな人の思惑通りになんてさせない」

ナタリアはユキの目をじっと見つめ、古の獣の言葉を唱え始めた。