「そもそも、あなたの父上は正式なオルバンス帝国の王位継承者ではありません。正式なる王位継承者は他にいらっしゃるのです。つまり娘であるあなたも王女と名乗るにはおこがましい存在なのですよ。そもそも、あなたはリシュタルトとも血がつながっていないただの部外者ですけどね」
あざ笑うように語るダスティンは、リシュタルトの異母弟のことを言っているのだろう。
黒幕である異母弟も、どこかに隠れているのかもしれない。
ナタリアは辺りに目を配らせたが、それらしき人物は見当たらなかった。
「おっと、よそ見をしていていいのですか? あなたは今、まさにドラドに食い殺されようとしているのですよ」
ダスティンの声で、ナタリアは目の前で唸りを上げているユキに視線を戻す。
興奮剤によって操られたユキは、もはや完全に理性を失っていた。
「……ユキは私を襲ったあとで、あなたたちに襲いかかるわ。獰猛化とはそういうものだもの。私がやられたとしても、あなたたちが食い殺されるのも時間の問題よ」
「残念ながら そうはなりません。あなたが襲われた後で、そのドラドを撃ち殺しますから。かつて殺したそのドラドの母親のように」
ダスティンが、手にした銃をユキに向けた。
(ユキがあのときの子ドラドだって、気づいていたのね)
ナタリアは、いよいよもって怒りが収まりきらなくなる。
あざ笑うように語るダスティンは、リシュタルトの異母弟のことを言っているのだろう。
黒幕である異母弟も、どこかに隠れているのかもしれない。
ナタリアは辺りに目を配らせたが、それらしき人物は見当たらなかった。
「おっと、よそ見をしていていいのですか? あなたは今、まさにドラドに食い殺されようとしているのですよ」
ダスティンの声で、ナタリアは目の前で唸りを上げているユキに視線を戻す。
興奮剤によって操られたユキは、もはや完全に理性を失っていた。
「……ユキは私を襲ったあとで、あなたたちに襲いかかるわ。獰猛化とはそういうものだもの。私がやられたとしても、あなたたちが食い殺されるのも時間の問題よ」
「残念ながら そうはなりません。あなたが襲われた後で、そのドラドを撃ち殺しますから。かつて殺したそのドラドの母親のように」
ダスティンが、手にした銃をユキに向けた。
(ユキがあのときの子ドラドだって、気づいていたのね)
ナタリアは、いよいよもって怒りが収まりきらなくなる。



