「これはこれはナタリア王女。随分大きくなられましたなあ。以前にお会いしたときは、天使のように愛らしい幼い少女でしたのに」
ナタリアはダスティンをキッと睨みつける。
「この期に及んでドラドを自分の思い通りに操ろうとするなんて、最低ね」
鎖に繋がれぐったりとしているドラド達と、目の前で理性を失っているユキに順々に目を馳せるうちに、悔しさで目元が潤んできた。
「最低ではありません。これが本来のあるべき人と獣の関係なのですよ」
ダスティンが、男のひとりから銃を受け取りながら言う。
慣れた手つきでカチカチと銃を調整しながら、ダスティンは続けた。
「獣と人は対等な関係ではない。獣は人に虐げられるべき存在です。そうやってこの世界は均衡をなしてきたが、残念なことに近年は崩れつつあります。獣人皇帝リシュタルト――あなたのお父上が政権を握られてからは、獣至上主義が高まり、世界はおかしくなってしまった」
「……あなたがお父様を襲撃したのね」
ダスティンが「ほう」としらじらしい声を出す。
「よくぞ見抜きましたね。彼に反発している人間は私だけではないのに、王女の勘ですか? とにかくあなたはまだ子供ですが、侮れないようだ。ご褒美に、教えてあげましょう」
ダスティンが、カチンッと準備を整えた銃を小脇に抱えた。
ナタリアはダスティンをキッと睨みつける。
「この期に及んでドラドを自分の思い通りに操ろうとするなんて、最低ね」
鎖に繋がれぐったりとしているドラド達と、目の前で理性を失っているユキに順々に目を馳せるうちに、悔しさで目元が潤んできた。
「最低ではありません。これが本来のあるべき人と獣の関係なのですよ」
ダスティンが、男のひとりから銃を受け取りながら言う。
慣れた手つきでカチカチと銃を調整しながら、ダスティンは続けた。
「獣と人は対等な関係ではない。獣は人に虐げられるべき存在です。そうやってこの世界は均衡をなしてきたが、残念なことに近年は崩れつつあります。獣人皇帝リシュタルト――あなたのお父上が政権を握られてからは、獣至上主義が高まり、世界はおかしくなってしまった」
「……あなたがお父様を襲撃したのね」
ダスティンが「ほう」としらじらしい声を出す。
「よくぞ見抜きましたね。彼に反発している人間は私だけではないのに、王女の勘ですか? とにかくあなたはまだ子供ですが、侮れないようだ。ご褒美に、教えてあげましょう」
ダスティンが、カチンッと準備を整えた銃を小脇に抱えた。



