次の瞬間にはもう、ユキは先ほどとは比べ物にならないほど怒りに満ちた顔つきになっていた。
歯茎がむき出しになるほど食いしばった牙、悪魔のように鋭く吊り上がった真っ赤な瞳、聞いているだけで身がすくむ重苦しい唸り声。
「興奮剤か!」
イサクがチッと舌打ちをすると同時に、ユキがイサクに襲い掛かかる。
がぶりと肩に噛みつかれ、イサクが叫び声をあげながら床に倒れ込んだ。
「く……っ!」
「イサクおじさん!」
赤い血が、彼の肩からとめどなく流れ出している。イサクは全身にびっしり汗を掻きながら、肩口を抑えて必死に痛みに耐えていた。
だが傷がよほど深かったのか、その顔は見る間に蒼白になっていく。
しばらくすると、イサクはピクリとも動かなくなってしまった。
ナタリアは怒りで打ち震える。
もちろん、怒りの相手はユキではない、ダスティンである。
「イサクおじさんに、なんてことを……!」
震え声でつぶやくと、ダスティンが今さらのようにニヤリとした。
歯茎がむき出しになるほど食いしばった牙、悪魔のように鋭く吊り上がった真っ赤な瞳、聞いているだけで身がすくむ重苦しい唸り声。
「興奮剤か!」
イサクがチッと舌打ちをすると同時に、ユキがイサクに襲い掛かかる。
がぶりと肩に噛みつかれ、イサクが叫び声をあげながら床に倒れ込んだ。
「く……っ!」
「イサクおじさん!」
赤い血が、彼の肩からとめどなく流れ出している。イサクは全身にびっしり汗を掻きながら、肩口を抑えて必死に痛みに耐えていた。
だが傷がよほど深かったのか、その顔は見る間に蒼白になっていく。
しばらくすると、イサクはピクリとも動かなくなってしまった。
ナタリアは怒りで打ち震える。
もちろん、怒りの相手はユキではない、ダスティンである。
「イサクおじさんに、なんてことを……!」
震え声でつぶやくと、ダスティンが今さらのようにニヤリとした。



