悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

「なんだこのドラドはっ! こんなの捕らえたか!?」

「いや、捕らえた覚えはない。とにかく獰猛化はしていないようだ、薬で錯乱させろ!」

階段を降りる途中で、下から男たちの驚いたような声がした。

(ユキ……!)

ようやく階段の終わりが見えてきた。

ユキの身を案じるあまり、身を隠すことは二の次になっていた。

滑り込むようにしてたどり着いた先は石造りの床と壁でできた、まるで牢獄のような場所だった。

壁から伸びた鉄の鎖には首輪がついていて、三頭ほどのドラドがずらりと捕らえられていた。

薬によって生気を奪われているようで、どのドラドもぐったりと床に伏している。

ドラドの前には村人と思われる三人の男がいた。

手には屈強な革の鞭が握られていて、彼らがドラドを虐待していることは一目瞭然だった。

「なんてひどいことを……!」

ナタリアの内側から、ふつふつと怒りが込み上げる。

「ウーッ、ウォンウオンッ!」

仲間の哀れな姿を目の当たりにして、ユキも激昂している。

「グル、グルルルル!」