悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

集体とは、獣の関連用語で、仲間が集っていると自ずとそちらに引き寄せられるドラドの習性のことをいう。

「どういうこと? この中にドラドがたくさんいるの?」

未知なる状況に、ナタリアはぞっと震えた。ドラドは希少種だ。

獣保護区や野生の群れならともかく、地下に集っているなど不自然である。

「可能性はある。薬で操って牢に監禁しているとか、やりようはあるからな。それにほのかにするこの匂いはなんだ?」

イサクが、獣耳をひくつかせながら鼻を鳴らした。

ナタリアは、以前にダスティンがラーの花の紛末でユキの母親を錯乱させ、捕獲しようとしていたことを思い出す。

あのときリシュタルトも、異様な匂いに気づいて疑念を抱いていた。

ナタリアには分からないが、鼻のいい獣人はラーの花の香りを嗅ぎ取ることができるらしい。

「きっと、ラーの花の粉末よ。ユキが危ない……!」

ラーの花で錯乱させられたあげく、銃で打ち抜かれたユキの母親を思い出し、ナタリアは全身から血の気が引いていくような感覚がした。

後先考えずに地下へと走り出す。

「おいナタリア、待て!」

(この奥に、ドラドが大量に捕らえられているっていうの? でも、ダスティンならやりかねないわ。ユキ……!)