二日目の昼に、トプテ村近くまでたどり着く。
馬車で入村すると目立つため、いったん近くの森に停める。
いきなり敵の陣地に全員で乗り込むのは危険なので、先にイサクが村の様子を見に行くことになった。
「ナタリア様、寒くないですか? 煙が上がると目立ってしまうため、焚火が炊けず申し訳ございません」
「大丈夫よ。ユキがいるから」
ナタリアはユキのもふもふの毛に体を埋めながら、心配そうなギルに明るく答える。
もともと北大陸に多く生息しているドラドは、寒いところに好んで住むといわれている。
九年前、ユキの母親がトプテ村近くの山に住み着いたのも、気候が適していたからなのかもしれない。
「あの山には、お前のお母さんが眠っているのよね」
かつての残忍な事件を思い出し、ナタリアは心を痛めた。
獣を私欲を肥やすための道具としか思っていない非情な男ダスティンは、あの事件からずっとリシュタルトへの報復をくわだてていたに違いない。
そしてかつての戦で政権を奪われたことから、リシュタルトを恨んでいた異母弟と利害が一致し、ともにリシュタルトの命を狙うようになったのだろう。
馬車で入村すると目立つため、いったん近くの森に停める。
いきなり敵の陣地に全員で乗り込むのは危険なので、先にイサクが村の様子を見に行くことになった。
「ナタリア様、寒くないですか? 煙が上がると目立ってしまうため、焚火が炊けず申し訳ございません」
「大丈夫よ。ユキがいるから」
ナタリアはユキのもふもふの毛に体を埋めながら、心配そうなギルに明るく答える。
もともと北大陸に多く生息しているドラドは、寒いところに好んで住むといわれている。
九年前、ユキの母親がトプテ村近くの山に住み着いたのも、気候が適していたからなのかもしれない。
「あの山には、お前のお母さんが眠っているのよね」
かつての残忍な事件を思い出し、ナタリアは心を痛めた。
獣を私欲を肥やすための道具としか思っていない非情な男ダスティンは、あの事件からずっとリシュタルトへの報復をくわだてていたに違いない。
そしてかつての戦で政権を奪われたことから、リシュタルトを恨んでいた異母弟と利害が一致し、ともにリシュタルトの命を狙うようになったのだろう。



