悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

「おにいたま、おねがい、ありましゅ」

「なんだい? なんでも言ってごらん」

ナタリアの突然の敬語に、レオンはますます破顔する。

「おにいたまと、おなじおしろ、すみたいの」

王子であるレオンの部屋は、リシュタルトと同じ本宮にある。

かわいい妹に一緒に住みたいと言われ、レオンが喜ばないわけがなかった。

「そうか、そんなにお兄様の近くに住みたいか。ナタリアは甘えん坊だなぁ」

頬を人差し指でタプタプされる。

「そんなに住みたいなら、お父様に頼んであげようか?」

思った通り好感触だ。

(よし、あともう一押し!)

ナタリアはうんうんと激しく頷いた。

「おしろで、たくさんのひと、あいたいの」

――だが、これがいけなかったらしい。

「たくさんの人に会いたいだって?」

レオンの顔から、スッと笑みが消えていく。