リシュタルトが、怪訝そうに眉根を寄せた。
「アリス? 誰だそれは」
「え? 知らないんですか? ほら、いつもお兄様といらっしゃる……」
「ああ、そんな女がいたな」
どうでもいいことのように言うリシュタルト。
「ここのところはお前のことで頭を悩ませていたからな。レオンのことにまで目がいかなかった」
「私のことで……?」
「――俺を避けていただろう?」
言いにくそうにしているリシュタルト。
「避けていたのはお父様の方じゃないですか。あるときから、私のもとにもまったく来られなくなったし」
「お前が俺を避けるから、あえて関わらないようにしていたんだ。父親が娘に避けられるのがどんなにつらいことか、お前には分からないだろう」
「アリス? 誰だそれは」
「え? 知らないんですか? ほら、いつもお兄様といらっしゃる……」
「ああ、そんな女がいたな」
どうでもいいことのように言うリシュタルト。
「ここのところはお前のことで頭を悩ませていたからな。レオンのことにまで目がいかなかった」
「私のことで……?」
「――俺を避けていただろう?」
言いにくそうにしているリシュタルト。
「避けていたのはお父様の方じゃないですか。あるときから、私のもとにもまったく来られなくなったし」
「お前が俺を避けるから、あえて関わらないようにしていたんだ。父親が娘に避けられるのがどんなにつらいことか、お前には分からないだろう」



