ところが。
「――よくやった」
次にリシュタルトが発したのは、予想外の言葉だった。
ナタリアが目を丸くしていると、ぎこちなくポンと額に掌を乗せられる。
「レオンは、何者かによって強力な興奮剤を飲まされ、獰猛化していたらしい。調合した薬だけでは抑えられなかったかもしれないと医師は言っていた。お前が獣操力である程度緩和してくれていたから、完全にもとに戻すことができたんだ」
そう言ってリシュタルトは、ぎこちなく目を細めた。
久々に見るリシュタルトの優しい笑みに、ナタリアは泣きそうになる。
アリスが現れてからというもの、リシュタルトはナタリアにまったく関わろうとしなくなっていた。
だから彼の心はとっくにアリスに奪われ、ナタリアは嫌われてしまったと思っていたのだ。
「お父様は、アリス様に夢中なのかと思っていました……」
思わず、本音がポロリと漏れる。
「――よくやった」
次にリシュタルトが発したのは、予想外の言葉だった。
ナタリアが目を丸くしていると、ぎこちなくポンと額に掌を乗せられる。
「レオンは、何者かによって強力な興奮剤を飲まされ、獰猛化していたらしい。調合した薬だけでは抑えられなかったかもしれないと医師は言っていた。お前が獣操力である程度緩和してくれていたから、完全にもとに戻すことができたんだ」
そう言ってリシュタルトは、ぎこちなく目を細めた。
久々に見るリシュタルトの優しい笑みに、ナタリアは泣きそうになる。
アリスが現れてからというもの、リシュタルトはナタリアにまったく関わろうとしなくなっていた。
だから彼の心はとっくにアリスに奪われ、ナタリアは嫌われてしまったと思っていたのだ。
「お父様は、アリス様に夢中なのかと思っていました……」
思わず、本音がポロリと漏れる。



