「じゃあ、ラブラブのカミーユとオーガストは、相性も合う番ってこと?」
よくできました、と言わんばかりに目を細めるギル。
「はい、そういうことです」
そしてリシュタルトとナタリアの母は、相性が合わなかった番らしい。
そんな現実的な設定、モフ番にはなかったように思う。
番になったらひたすら盲目的に愛されるというシステムだったはず。
だが、考えてみればこの世界は昔からモフ番とは少しズレがある。
どうやら、番設定も少し異なるらしい。
兄の自分への愛情が失せたわけではないと知って、ナタリアはひとまずホッとした。
その一方で、リシュタルトのことを思うと重い気持ちになる。
アリスが現れて以来、リシュタルトはピタリとナタリアに会いに来なくなった。
番設定は緩くとも、獣人に好かれるアリスのチート能力は健在だ。
だからリシュタルトの気持ちも、城で働く人たちと同様、完全にアリスに傾いてしまったのだろう。
(でも、お父様のことなんて関係ないわ。今の私のターゲットは、お兄様だもの。お兄様の気持ちが完全にアリスのものでないなら、私にも勝算はあるってことよね)
ナタリアはそう自分に言い聞かせ、気持ちを奮い立たせる。
だが、心に渦巻くモヤモヤとした気持ちはいつまでも消えてくれなかった。
よくできました、と言わんばかりに目を細めるギル。
「はい、そういうことです」
そしてリシュタルトとナタリアの母は、相性が合わなかった番らしい。
そんな現実的な設定、モフ番にはなかったように思う。
番になったらひたすら盲目的に愛されるというシステムだったはず。
だが、考えてみればこの世界は昔からモフ番とは少しズレがある。
どうやら、番設定も少し異なるらしい。
兄の自分への愛情が失せたわけではないと知って、ナタリアはひとまずホッとした。
その一方で、リシュタルトのことを思うと重い気持ちになる。
アリスが現れて以来、リシュタルトはピタリとナタリアに会いに来なくなった。
番設定は緩くとも、獣人に好かれるアリスのチート能力は健在だ。
だからリシュタルトの気持ちも、城で働く人たちと同様、完全にアリスに傾いてしまったのだろう。
(でも、お父様のことなんて関係ないわ。今の私のターゲットは、お兄様だもの。お兄様の気持ちが完全にアリスのものでないなら、私にも勝算はあるってことよね)
ナタリアはそう自分に言い聞かせ、気持ちを奮い立たせる。
だが、心に渦巻くモヤモヤとした気持ちはいつまでも消えてくれなかった。



