それからも、レオンはちょくちょくナタリアの前に現れては、従来と変わらないシスコンぶりを発揮した。
ギルと一緒に庭を歩いていると毎度のように現れるし、暇さえあればアリスを置いてナタリアのところにやってくる。
そんなとき、アリスはレオンの後ろの方でいつも引きつった笑みを浮かべていた。
ナタリアにとってはありがたい展開だが、戸惑わずにはいられない。
あるとき勉強の合間に、こっそりギルに質問してみた。
「ねえ、ギル。番って何なの? 獣人は番を見つけたら、その人以外見えなくなるんじゃないの?」
「まあそうですね。本能といいますか、番を盲目的に求めてしまうようなので」
「でも、お兄様はそういう感じじゃなくない? 出会った頃はアリスしか見えてなかったようだけど、最近は別々に行動していることも多いみたいよ」
「それはおそらく、感情が伴わなかったのですよ」
ギルの答えに、ナタリアは目を瞬かせる。
「感情が伴わないって、どういうこと?」
「本能では番を求めているのに、感情では求めていないということです。誰だって、相性があるでしょう? 番なのに相性が合わなかったときに、こういうことが起こるようですよ」
ギルと一緒に庭を歩いていると毎度のように現れるし、暇さえあればアリスを置いてナタリアのところにやってくる。
そんなとき、アリスはレオンの後ろの方でいつも引きつった笑みを浮かべていた。
ナタリアにとってはありがたい展開だが、戸惑わずにはいられない。
あるとき勉強の合間に、こっそりギルに質問してみた。
「ねえ、ギル。番って何なの? 獣人は番を見つけたら、その人以外見えなくなるんじゃないの?」
「まあそうですね。本能といいますか、番を盲目的に求めてしまうようなので」
「でも、お兄様はそういう感じじゃなくない? 出会った頃はアリスしか見えてなかったようだけど、最近は別々に行動していることも多いみたいよ」
「それはおそらく、感情が伴わなかったのですよ」
ギルの答えに、ナタリアは目を瞬かせる。
「感情が伴わないって、どういうこと?」
「本能では番を求めているのに、感情では求めていないということです。誰だって、相性があるでしょう? 番なのに相性が合わなかったときに、こういうことが起こるようですよ」



