「あなたが嫌と言われても、ずっとお傍にいます」
ギルのその言葉は、不思議と嘘を言っているようには聞こえなかった。
ナタリアの耳にスッと落ちてきて、胸の奥を震わせる。
「――本当に?」
「本当ですとも」
「本当の本当に?」
「はい」
ギルは三歳の頃から、ずっとナタリアの傍にいてくれた。
そしてアリスが現れた今も、変わらず傍にい続けてくれる。
信じてもいいのかもしれない。
――信じてみたい……。
ナタリアが縋るような目を向けると、ギルはナタリアを安心させるように頭を撫でてくれた。
「だからそんな不安そうな顔をしないでください、私のお姫様」
(どうしよう、泣きそう……)
潤んだ瞳でギルを見つめていると、「ウォン!」とユキが高らかに鳴いた。
ナタリアの気分が少しだけ和らいだのを喜ぶかのように、尻尾を振りながらぐるぐると回っている。
青年期に突入したユキは、今ではもうナタリアの三倍ほどの大きさで、力もある。
一緒にずっと引きこもっていたので、かなり体力が有り余っているのだろう。
リシュタルトがプレゼントしてくれた温室で毎日のように遊ばせてはいるが、それだけでは物足りないらしい。
勘のいいギルはそのことに気づいたようで、思いついたように提案してきた。
「そうだ、ユキを連れて、久々に庭に散歩でも行きませんか?」
ギルのその言葉は、不思議と嘘を言っているようには聞こえなかった。
ナタリアの耳にスッと落ちてきて、胸の奥を震わせる。
「――本当に?」
「本当ですとも」
「本当の本当に?」
「はい」
ギルは三歳の頃から、ずっとナタリアの傍にいてくれた。
そしてアリスが現れた今も、変わらず傍にい続けてくれる。
信じてもいいのかもしれない。
――信じてみたい……。
ナタリアが縋るような目を向けると、ギルはナタリアを安心させるように頭を撫でてくれた。
「だからそんな不安そうな顔をしないでください、私のお姫様」
(どうしよう、泣きそう……)
潤んだ瞳でギルを見つめていると、「ウォン!」とユキが高らかに鳴いた。
ナタリアの気分が少しだけ和らいだのを喜ぶかのように、尻尾を振りながらぐるぐると回っている。
青年期に突入したユキは、今ではもうナタリアの三倍ほどの大きさで、力もある。
一緒にずっと引きこもっていたので、かなり体力が有り余っているのだろう。
リシュタルトがプレゼントしてくれた温室で毎日のように遊ばせてはいるが、それだけでは物足りないらしい。
勘のいいギルはそのことに気づいたようで、思いついたように提案してきた。
「そうだ、ユキを連れて、久々に庭に散歩でも行きませんか?」



