めくるめく月日が流れ、ナタリアはついに十三歳になろうとしていた。

腰まで流れる茶色の髪に、陶器のように滑らかな乳白色の肌、そして煌めくヘーゼルの瞳。

彼女は、誰もが認める美少女に成長していた。

出歩けばたちまち人々の視線を虜にするし、婚約者として名乗りを上げる貴族や他国の王子もあとをたたない。

だが、もちろんナタリアはどの話も受けるつもりはなかった。

なぜなら城から逃亡し、リシュタルトのお金で安心して暮らしながら、獣操師として自立する日がもうすぐそこまで迫っているのだから。

婚約なんてしている場合ではない。