悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

「同じ顔って、本気で言ってるのかい? あんた、目が悪いんじゃないのか?」

カミーユが目を剥いたところで、ナタリアの隣にイサクがやってきた。

「よお、ナタリア。二日ぶりだな」

「イサクおじさん、会いたかった!」

満面の笑みで出迎えると、イサクは彼らしい豪快な笑い声を響かせた。

「なんだよ。その天使みたいな顔でそんなこと言われたら照れるじゃねえか」

幼い少女を前に照れているイサクを見て、周囲からどっと笑い声が湧く。

「凄腕獣操師のイサクをたぶらかすなんて、ベルはすごい女だな!」

「これは男泣かせの悪い女に育つぞ。将来が楽しみだ」

そのとき。

「――なるほどこういうことか」

ワイワイと湧き立つ声の中に、スッと冷え切った声が落ちてきて、ナタリアは凍り付く。

聞き覚えのある声だった。

だけど、絶対にこんなところでは耳にするはずのない声――。

(え、まさか……)