カミーユが、カウンターの向こうでぶるりと身震いした。
「弟王子を見つけ次第、処刑するつもりなのかね? あの皇帝ならやりかねないよ。ああ、おそろしや」
「ギル、この話知ってた?」
ナタリアはこっそりギルに耳打ちする。
「ふたりの王子を筆頭とした内戦があったことは知ってますが、皇帝がいまだ弟王子の行方を追っていることは知りませんでした」
(逃げ出した何の罪もない王子を、いまだに探して殺そうとしてるなんて……やっぱりお父様は恐ろしい方なんだわ。)
優しくされ、ナタリアの中での彼のイメージが変わりつつあったが、やはり彼はその名の通り冷徹皇帝なのだ。
娘に見せる優しさの裏に、氷のような冷たい心を隠し持っている。
ナタリアは、リシュタルトに捨てられる未来をより確信したのだった。
「弟王子を見つけ次第、処刑するつもりなのかね? あの皇帝ならやりかねないよ。ああ、おそろしや」
「ギル、この話知ってた?」
ナタリアはこっそりギルに耳打ちする。
「ふたりの王子を筆頭とした内戦があったことは知ってますが、皇帝がいまだ弟王子の行方を追っていることは知りませんでした」
(逃げ出した何の罪もない王子を、いまだに探して殺そうとしてるなんて……やっぱりお父様は恐ろしい方なんだわ。)
優しくされ、ナタリアの中での彼のイメージが変わりつつあったが、やはり彼はその名の通り冷徹皇帝なのだ。
娘に見せる優しさの裏に、氷のような冷たい心を隠し持っている。
ナタリアは、リシュタルトに捨てられる未来をより確信したのだった。



