ナタリアは、ギルとともにカウンター席にちょこんと座る。
「おやまあ、随分かわいらしいお客さんだねえ。お嬢ちゃん、何歳だい?」
すぐに、店員らしき灰色のふさふさ耳の獣人女性がナタリアに声をかけてきた。吊り上がった目が気の強そうな印象を受けたが、口調は柔らかい。
「六歳です」
「賢そうな子だねえ。こちらもうっとりするほどのいい男じゃないか。兄妹かい?」
「そうです」
ギルがにこっと微笑んだ。
色気たっぷりの笑みに女性は一瞬顔を赤らめると、「アハハ!」と豪快に笑った。
「いやだよ、お客さん。男前すぎて、番の旦那がいるってのに一瞬クラッとしたじゃないか!」
「おい、カミーユ、今なんつった!?」
ドカドカッと、カウンター向こうから、ガタイのいい獣人がギルに掴みかかる。
茶色い耳をした筋肉隆々の男である。コック服を着ているので料理人のようだ。
「お前か! うちの嫁をたぶらかしたのは!?」
「いやだよオーガスト、冗談だよ。あたいにはあんただけに決まってるじゃないか」
「おやまあ、随分かわいらしいお客さんだねえ。お嬢ちゃん、何歳だい?」
すぐに、店員らしき灰色のふさふさ耳の獣人女性がナタリアに声をかけてきた。吊り上がった目が気の強そうな印象を受けたが、口調は柔らかい。
「六歳です」
「賢そうな子だねえ。こちらもうっとりするほどのいい男じゃないか。兄妹かい?」
「そうです」
ギルがにこっと微笑んだ。
色気たっぷりの笑みに女性は一瞬顔を赤らめると、「アハハ!」と豪快に笑った。
「いやだよ、お客さん。男前すぎて、番の旦那がいるってのに一瞬クラッとしたじゃないか!」
「おい、カミーユ、今なんつった!?」
ドカドカッと、カウンター向こうから、ガタイのいい獣人がギルに掴みかかる。
茶色い耳をした筋肉隆々の男である。コック服を着ているので料理人のようだ。
「お前か! うちの嫁をたぶらかしたのは!?」
「いやだよオーガスト、冗談だよ。あたいにはあんただけに決まってるじゃないか」



