悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!

(詰んだ……)

――ゴンッ。

フラリと倒れたときに、思い切り後頭部を強打した。

「たいへん! ナタリア様が頭を打ったわ!」

アビーが慌てて抱き起こすと、ドロテがたしなめるように言う。

「大丈夫よ、アビー。赤ちゃんが頭を打っても、元気に泣いてて顔色がよかったら問題ないわ。――って、まったく泣いてないじゃない!? しかもお顔が真っ青! 早く王宮医のところに連れて行かなくちゃ!!」

毛布でぐるぐるにくるまれ、外に連れ出された。もはや完全に生きる気力を失ったナタリアは、死んだ魚のような目でぐったりしている。

「ああ、お顔がどんどん真っ青になっていくわ! どうしましょう!」