ことが終わった後。
私たちはいつの間にか移動していた、加藤さんのベッドの上で、こんな会話をした。

「加藤さん、聞きたいことがあるんですけど……」
「何?」
「……加藤さんってもしかして……私のこと、好きなんですか?」
「……この状況で、今更、それを言うの?君は?」
「だって……人材って……付き合ってなくてもこういうことするって聞くし……それに……」

その時、私の言葉を完全に塞ぐように、加藤さんは軽くではあるが、口付けてきた。
そして……。

「ああ、好きだよ。大好きだ。……ずっと」

ず、ずっと!?

「ずっとって……それ、いつからですか!?」
「……知らない」
「……なんでそっぽ向くんですか!」
「何で、僕ばかり……」
「え?」

加藤さんはそっぽ向いたまま聞いてきた。

「君は?僕のこと、どう思ってるの?」
「どうって………」

言葉に詰まる。
尊敬できる先輩。
たまに、ちょっと可愛い年下の男の子。
でも、側にいてくれると、何だか安心できる人で……。
この気持ちをどう言葉にしようか、考えている時だった。

「か、加藤さん!?何して」

再び加藤さんが、私の上に乗っかってきた。
細く見えても、ちゃんと筋肉がついてる体は、ずしりと重い。

「言葉で教えてくれないなら、体に聞くから」
「ちょっ、ちょっと待って!」
「待たない」

無理……!
あれをもう1回やるなんて……!
私は、加藤さんが私の良いところを触ろうとしたのを手で止めてから

「私も…………好き……だと思います……たぶん」
「たぶんって、何」
「だって!色々急展開すぎて……こんな……ことだって……いまだに信じられない」
「じゃあ、これが終わったら、はっきり好きだって言わせるから」

そう言うと、加藤さんを押さえ込んでいたはずの私の手は、あっさり加藤さんの手によって解かれ、すぐミントな香りが口の中に充満した。
そんな、深い深い口付けの後で、もう1度、ことが始まってしまった。
私は加藤さんに身を任せたものの、心の片隅でこんなことを思ってしまった。

……若いって……すごい……。