「小春ちゃん、始まるよー!」

「うん……っ」


 彼らは走り出すと声援が上がる。まるで優勝パレードのようだ。


「暴走族ってイメージ悪いけど、鳳凰会は違う。こうやって走ってパトロールしてるんだよ」

「へー……」


 そう相槌を打ち、柴崎くんたちの方を見るとなぜか彼と目が合った。そして驚いた顔をする。

 だけど私に気付くはずない。沢山の女の子がいる中、私を見つけるだなんて無理な話だ。