『美央、準備できた?』

『出来たよ』


 部屋の中には私と哉斗くん。なんで異性の彼がいるかというと……婚約をしているからだ。

 この学校は、宿泊部屋は婚約者同士で過ごすことができる。婚約をしていない人や奨学生の婚約とは無縁の人は普通に同性と過ごすらしいけど。


『海斗くんと沙知ちゃんは別々なんだね』

『二人は恋人ってだけで婚約してるわけじゃ無いからな』


 因みにホテルは三十六階まであり、三つの階を貸し切りにしている。
 一つは女子のみ、二つは男子のみ、三つ目は婚約者がいる同士のみ……私たちの部屋は三十二階だったりする。

 下に降りると、もうフロントには沢山の生徒が集まっていた。