とある先輩の、歪んだ狂愛。

周side




それは夢か、それともフラッシュバックか。


ふと忘れた頃に見せてくる記憶がある。


あぁちがう。
忘れてなんかない。

思い出さないようにしているだけだ。



「きゃーーっ!!アマネ先輩がんばって~~~っ!!」


「アマネ~~っ!すごい速ぁ~いっ!」



体育祭当日、個人種目最後の砦となる選抜リレー。


選抜って言うくらいだから速い奴らが選り抜きされてるんだろうと思ったが、そうでもなくて。

陸上部は何やってるんだと思うくらい、他の種目に散らばっていた。


だとしてもアンカーの俺が1位抜け。



「1位!B組!!」


「よっしゃぁぁっ!!」



いやそれ俺の力だからね後輩よ。

第3走者のお前、わりと抜かされてたじゃん。

まぁでも終わりよければ全てよしって言いたいところなんだけど。


本番はこれからってわけで。



「ここで一旦遅めのお昼休憩を挟みます。そのあと、女子選抜リレーの選手は本部へと集まってくださーい」



放送部のアナウンスが響いた。