だれを責めたらいいか分からなかった。
とりあえず俺は『立花が事故で亡くなった』なんて、ふざけた言葉を言ってのけた担任である男の胸ぐらを掴んでいて。
そんな俺を止めた廉。
校内はもっと困惑が広がった。
『やめろ周…!!』
『はなせ…っ、ぁぁぁ…っ、なんで…っ……なんでだよ…!!!』
あんた担任だろ、あんたがちゃんと彩の話を聞いてやれてたら防げたんじゃないのか。
なんのために教師してんだよ。
先生なんだろ、俺たちのずっとずっと先を生きてる人なんだろ。
勉強なんかどうだっていいから、人生の歩き方を教えてくれよ俺たちに。
命の在り方を、教えろよ───。
そんなことを並べて責めた俺。
『俺がいちばん……助けてやれたのに…っ!!!』
一緒に居るだけで救えているような気がしていた。
あの笑顔が本物だって信じ込んでいた。
『…俺が……殺したようなものだ…』
なにかあったら俺に言って。
苦しくて辛かったら頼って、俺が守ってあげる───。
きっとそんな言葉が、彼女を何よりも苦しめていた。
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