とある先輩の、歪んだ狂愛。





バトンパスは自分が思うより早いタイミングで出たほうがいいって、確かテレビとかでもやっていたような気がする。

だから先輩の言っていることは理に叶っていて。


ここまで詳しいことに驚きだけど…。



「とりあえずまずは俺と競争。ここからあっちの端まで」


「え、」


「よーいどん!」


「えっ、待ってください、」



待つわけないじゃん、と言いながら先輩は全力で走ってゆく。

だから追いかけるようにわたしも走った。



「はい俺の勝ち」


「…さすがに無理です。いろいろ、理不尽です」



準備運動もなくいきなり走るなんてキツい。

それに先輩のタイミングが急すぎて集中どころじゃない。


ただがむしゃらに走って追いかけてるだけだった。


こんなの競争でも何でもない。



「いーんだよ、それで」


「…いいって…ズルいですよ先輩」


「もうさ、見栄とか格好とか要らないでしょ。なにを毎日クールぶってんのか知らないけど」