ほんとうに真面目に練習に付き合ってくれる気なの…?
確かにわたしはあの体育の授業以来、個人での練習にはもちろん誘われていない。
他のチームメイトは先輩方と予定を合わせてしっかり練習してるらしいけど…。
だからわたしの前を走る人とのバトンパスは、きっとぶつけ本番。
「でも、これで練習になるんですか?」
「逆にこれじゃなきゃ練習にはならない」
トイレットペーパーの芯に指を通してくるくる回しながら、スッと立ち上がった先輩。
じっと見つめていると目が回ってしまいそう…。
「リレーってバトンパスが鍵って言っても過言ではないでしょ?
だから練習で本物のバトンを使うってのはありきたり」
とりあえず続きを待つ。
ここで返事をして会話を妨げたくはないし、わたしもただ単にスムーズに話を聞きたかった。
「でもそれじゃ駄目なんだよね。タイミングがすべてのバトンパス、練習と本番はどうしたってズレが生じる。
だからこそ練習は短いサイズでするべし」
ってね───と、先輩の盛大なドヤ顔。



