「友達いっぱい居るって言ってるでしょ、普通に楽しくしてる」
「どういう友達が居るかをお母さん知りたいのよ」
「…そんなの別に知らなくていいよ」
それで、母親には嘘を言ってると。
なんとなく涼夏の性格が分かってきたような気がする。
心配かけさせまいと振る舞って平然を装って、嘘を言って。
まぁ確かに、この母親の笑顔を悲しませたくない気持ちは分からなくもないような。
「だから高槻くんみたいなお友達が居てくれて安心したわ!これからもよろしくね」
「…はい」
俺も流されてるし。
さすがに「いい暇つぶしにさせてもらってます」なんて言えそうにないから。
鍋なんか用意してもらって、3人で普通に楽しい夕食を過ごした俺。
「あ、お母さん、洗濯物取り込むの忘れてる」
「あら本当!」
「もー。わたしがやっておくから」
「ごめんね~涼夏」
それで涼夏は意外にも世話焼き。
ただ単にお母さんが子供っぽいから娘が大人っぽく育つ、そんな理由だけかは分からないけど。



