3Kの内装。
小ぶりなキッチンがあって、1部屋はリビングとして使っているのだろうソファーにテレビ、テーブル。
残りの2部屋はそれぞれの自室となっているっぽい。
とりあえずソファーに座った俺に鼻歌をうたうように投げ掛けられた。
「俺こそいつも学校でお世話になってますから」
「やーん、嬉しいわぁ」
まぁ、お世話っていうのはお母さんが思ってるようなものじゃない。
暇つぶし?おもちゃ?
いじめっ子といじめられっ子?
そんな関係が俺たち。
「なに?」
「…別に」
どこぞの素っ気ない女優だよ。
そんなに睨んでたら眉間にシワが寄っちゃうんじゃないの。
どうせ俺の今の笑顔も嘘くさいとでも思ってるんだろう。
カチャカチャと皿や箸を並べる娘と、キッチンに立つ陽気な母親。
「涼夏は学校ではどんな感じ?この子ってば、ぜんぜん話してくれないから分からないのよ~」
ってことは、いじめられてるって知らないってこと?
その暢気な様子を見ればそうなんだろうなってお察しだけど。



