「お母さん、夜だからそのテンションやめてってば」
「もー!いいじゃない冷たいっ!あ!もしかして涼夏のお友達!?また随分とイケメンくんね~」
「友達じゃない、先輩」
なるほど、そーいうことね。
お母さんに愛想をぜんぶ吸い取られたってことか。
そして頑なに断ってた理由もここで理解。
「はじめまして、高槻です」
「はじめまして涼夏の母です~。そうだわ!良かったら一緒に夕飯どうかしら!」
「駄目に決まってるでしょ。先輩、無視して帰ってくれて大丈夫です」
いや俺、実はすっごいお腹空いてる。
それにいじめられっ子の家庭が見れちゃうなんて特典を使わないでどーすんの。
「お言葉に甘えて頂いてもいいですか?」
「もちろんよっ!さぁ上がって上がって!狭いけどごめんなさいね~」
「もうお母さんっ!」
なんだ、そんな大声も出せるんじゃん。
年相応。
いつもより幼く見える。
こーいうの見て弱味を握りたかったわけだし俺は。
「高槻くんは3年生なのね~。進路とか大変なのに送ってくれてありがとうね」



